DATE : 2007 / 10 / 08 ( Mon )
【作品概要】
TVアニメ 1998年作品
放送局:テレビ東京系列(全26話中12話+総集編)、WOWWOW(26話全編)
監督:渡辺信一郎
シリーズ構成:信本敬子
キャラクターデザイン:川元利浩
メカニックデザイン:山根公利
放送局の都合と社会的な背景により、民放放映時は全編26話中半数以下の13話のみの放送、さらに暴力表現と性的表現をカットされるなど、かなり不遇なスタートだったにもかかわらず、放送終了から2年後には劇場版が制作されるほど熱狂的なファンを獲得したハードボイルドSFアクション。
【あらすじ】(ネタバレ無し)
西暦2022年、「位相差空間ゲート」開発中の事故による地球と月の損壊によって、人類は地下、または宇宙での生活を余儀なくされる。
やがて、各惑星や衛星が独立国家となり、各惑星はI.S.S.P.(太陽系刑事警察機構)を設立。同時に太陽系全域に散らばる無数の犯罪者を効率よく取り締まるために設立されたのが「賞金首制度」、通称「カウボーイ法」。
「賞金稼ぎ」=「カウボーイ」は賞金首として手配された犯罪者を逮捕することで賞金を手にすることができるようになり、無数の犯罪者を追う無数の賞金稼ぎが太陽系を入り乱れることになる。
西暦2071年。賞金稼ぎのスパイクとジェットは賞金首を捕えるたびに、町を破壊し、船を傷つけるため、賠償金や修理代で食事も満足にとれないありさま。
そんな二人が漁船を改造した宇宙船ビバップ号を駆り、賞金首を追って今日も銀河を駆ける!w
【感想&雑記】(ネタバレ無し)
作画(アートワーク)、ストーリー、音楽と全てにおいてクオリティが高く、さらに全体がセンス良くまとまってます。こんな完成度の高い作品はそうそうないです(また言い切った!w)。
ジャンル的にはハードボイルドSFアクション。娯楽アクションとしての気持ち良さっていうのは十二分に楽しめるんですけど、全体のかもし出す雰囲気はハードボイルドな人間ドラマ。ターゲットをはっきり大人に絞ってるアニメですね。
見終わった後は、爽快感より物悲しさが残るお話です。
物語の舞台設定が非常に丁寧に練りこんであり、SF作品としても非常に奥行きの深いものになっています。
太陽系全土に人類が進出している世界で既存の国家が消滅して人種のハイブリッド化が進んでも、人種や文化の壁はよりいっそう固有の文化を色濃く残したコミュニティを構築している。経済復興が進む一方で貧富の格差は広がり犯罪が蔓延……。などなど。
「カウボーイビバップ」世界の独特の雰囲気はきちんとした設定の裏付けがあってのものなんですねー。
そうした世界にしっかりと足を付けて生きているキャラクターがまた魅力的です。キャラクター達の個性は全ストーリーの中でいきいきと描かれていますが、各キャラクターにスポットを当てた物語も挿入されていて、それがまたせつないドラマなんですよー。(T T)
さらにビバップを語る上で外せないのが音楽!
よく練りこまれた設定、設定を見事に表現したアートワーク、そして最後にビバップの世界を完成させ、彩を加えるのが、菅野よう子さんの音楽です。
全体はジャズを基調としながら、シーンによってブルース、ハードロックなど、ありとあらゆるジャンルが何事も無いように挿入されていますが、全て菅野よう子さん一人のお仕事*です。(ハードロック調とかハードロック風のBGMなんじゃなくてハードロックがながれてきますw)
*11話「闇夜のヘヴィ・ロック」(チャイコフスキー作曲「花のワルツ」)、総集編「よせあつめブルース」 (SHAKKAZOMBIE「空を取り戻した日」) を除く。(出典:Wikipedia)
独断による名作度 | :88/100点 |
ほんわか度数 | : ☆☆☆☆☆ |
心あったか度数 | : ☆☆☆☆☆ |
コミカル度数 | : ★★☆☆☆ |
笑っちゃう度数 | : ★★☆☆☆ |
泣けちゃう度数 | : ★★☆☆☆ |
設定・世界観 | : ★★★★★ |
テンポ・スピード感 | : ★★★★★ |
残虐描写度数 | : ★★★☆☆ |