DATE : 2007 / 10 / 12 ( Fri )
【作品概要】
TVアニメ 2002年作品 全26話
放送局:SKY PerfecTV!
地上波放送は2004年1月~2004年6月 放送局: 日本テレビ系列
士郎正宗氏原作のSFコミックのTVアニメ化作品。
原作や、押井監督の映画版と異なり、「もし草薙素子が人形遣いと出会っていなかったら?」というパラレルワールドで公安9課の活躍を描くオリジナルストーリーで構成されています。
監督、シリーズ構成:神山健治
脚本:神山健治、藤咲淳一、櫻井圭記、佐藤大、菅正太郎、寺戸信寿
キャラクターデザイン:下村一
メカニックデザイン:寺岡賢司、常木志伸
3D監督:遠藤誠
音楽:菅野よう子
【あらすじ】(ネタバレ無し)
舞台は第3次核大戦、第4次非核大戦後の日本。科学技術は飛躍的に進歩し、「電脳化」や「サイボーグ(義体)化」といった技術が一般化した時代。
犯罪のクロスオーバーに対応し、情報の網を張り、犯罪の芽を探し出し、それを除去する「犯罪に対し攻性の組織」が設立された。
強大な権限を持つ少数精鋭のエリート部隊で、志願は不可の引き抜き制。階級無しの実力主義、組織のトップは首相のみ。というその組織こそ、表向き「国際救助隊」とされている公安9課。
この作品は公安9課の活躍を描く物語です。
【感想&雑記】(ちょっとだけネタバレ!?)
攻殻機動隊の記事を書くに当たって、一番最初に扱う作品は「S.A.C.」にしようと決めていました。
答えは簡単。一番わかりやすいから!w
私は原作の大ファンでもありますが、このS.A.C.はものすごく良く出来てます。オリジナルストーリーにもかかわらず、原作の良さを損なわずに9課の活躍が実に魅力的に描かれています。原作の全ての巻から、うまく色んな要素を抜き出してますよね。主なベースは原作1.5「HUMAN-ERROR PROCESSER」かなー?
さらにアニメとしての完成度も秀逸!原作を知らなくても、この先知る気が無くてもw、一つの作品としてクオリティが高いです。もうすっかりS.A.C.のファンw。(ただし、2nd GIG では無く 1st GIG の方がオススメです。いずれ、2nd GIG も記事にすると思うので詳細はそちらに譲ります)
そうそう、忘れちゃならないのは「タチコマ」の存在ですね。
かわいすぎですwww。
原作のフチコマよりもずっと存在感がありますね。9課のマスコットと化してます。25話は涙無しでは見られないでしょう!!
独断による名作度 | :90/100点 |
ほんわか度数 | : ☆☆☆☆☆ |
心あったか度数 | : ☆☆☆☆☆ |
コミカル度数 | : ★☆☆☆☆ |
笑っちゃう度数 | : ☆☆☆☆☆ |
泣けちゃう度数 | : ★☆☆☆☆ |
設定・世界観 | : ★★★★★ |
テンポ・スピード感 | : ★★★★★ |
残虐描写度数 | : ★★★☆☆ |
DATE : 2007 / 10 / 11 ( Thu )
【作品概要】
TVアニメ 2003年作品 全26話
放送局:テレビ東京系列 放送期間:2003年4月~2003年9月
GONZOの10周年記念作品ということもあり、非常にクオリティの高い作品。3DCGも美麗です。
監督:千明孝一
キャラクター原案:村田蓮爾
アニメーションキャラクターデザイン:堀内修、ムラオミノル、田中雄一
プロダクションデザイン:前田真宏、小林誠
脚本:千明孝一、冨岡淳広、神山修一、山下友弘
音楽:Dolce Triade
【あらすじ】(ネタバレ無し)
舞台は産業革命時代の雰囲気漂う世界「プレステール」。
15歳の少年「クラウス」と幼馴染の少女「ラヴィ」はまだ幼いながらも、二人の父親達が遺した「ヴァンシップ(小型飛行艇)」を操り、父親達のように「パイロット」と「ナビ」としてコンビを組んで「空の配達人」をしていた。
二人の夢は、父親達が越えられなかった巨大な嵐、「グランドストリーム」を越えること。そのために彼らは「運び屋」と「草レース」で日々腕を磨いていた。
しかし、ある事件をきっかけに、一人の少女を謎の空中戦間「シルヴァーナ」に送り届けるという「危険度:星7つ」の仕事を引き継ぐことから、クラウスとラヴィの二人は世界を揺るがす戦いに巻き込まれてゆく……。
【感想&雑記】(ネタバレ無し)
村田蓮爾さん原案のキャラクター、同じく村田氏デザインのヴァンシップ。この2つが、オープニングテーマ「Cloud Age Symphony」(作詞・作曲・唄沖野俊太郎)をBGMに空を翔けている絵だけで、もうヤラれっちゃいました。w
この作品が好きなのは、まず「村田蓮爾ありき」というところですね。(^^;)
とにかく、物語世界の設定、戦艦・ヴァンシップの設定とアートワークの出来が素晴らしいです。それが美麗な3DCGと2Dアニメーションの融合で動き回る様は圧巻!艦隊戦やヴァンシップレースなどはたまらない魅力があります。
大好きな作品なんですが、ストーリーや展開はエンターテイメント作品として十分すぎるクオリティを保っているとはいえ、期待していたより全体の雰囲気が重苦しかったのが少し残念です。。。
独断による名作度 | :80/100点 |
ほんわか度数 | : ☆☆☆☆☆ |
心あったか度数 | : ☆☆☆☆☆ |
コミカル度数 | : ☆☆☆☆☆ |
笑っちゃう度数 | : ☆☆☆☆☆ |
泣けちゃう度数 | : ☆☆☆☆☆ |
設定・世界観 | : ★★★★★ |
テンポ・スピード感 | : ★★★★★ |
残虐描写度数 | : ★★☆☆☆ |
DATE : 2007 / 10 / 10 ( Wed )
【作品概要】
TVアニメ 2005年作品 全50話
放送局:TBS系列 放送期間:2005年4月~2006年4月
.hackの成功を受け、企業間でより密な連携をとりながら大規模なメディアミックス展開を行うことを前提に立上げられた『Project EUREKA』(公式サイト:http://www.eureka-prj.net/)内のSFロボットアニメ作品。前記も含め、初の試みが盛り込まれている、ちょっぴり実験的な背景を持ったアニメ作品です。
様々なテーマが内包されていますが、お話としては少年が世界と対峙しながら成長してゆく姿を描く「フィロソフィー・フィクション*」です。
*公式サイト(www.eureka-prj.net/animation.html)によると、毎日放送プロデューサー竹田青滋氏の言葉として「90年代のSFを総称してネーミングされたもの」という説明があります。直訳すると「哲学フィクション」。
受賞(出典:Wikipedia)
第20回デジタルコンテンツグランプリ(2005年)
優秀賞:『交響詩篇エウレカセブン』
第10回アニメーション神戸賞(2005年)
個人賞:吉田健一[12]
第5回東京国際アニメフェア(2006年)
テレビ部門優秀作品賞:『交響詩篇エウレカセブン』
脚本賞:佐藤大
キャラクターデザイン賞:吉田健一
Anime Expo 2006 SPJA Award
最優秀テレビ長編賞:Eureka seveN
最優秀女性キャラクター賞:エウレカ
【あらすじ】(ネタバレ無し)
人類が故郷の星を追われ、ようやくたどり着いた「約束の地」。そこは珊瑚のような形質の地表が広がり、大気中には、未知の粒子「トラパー」が含まれる荒涼とした場所だった。
人類は荒れた大地を開拓し、トラパーを利用するため巨大な塔を建造し、塔下には都市ができ、各塔をまとめる形で統一政府「塔州連邦」が設立された。
それから数世紀。
ある塔下の町「ベルフォレスト」に祖父と二人で暮らす14歳の少年「レントン」は毎日に退屈しきっていた。
そんな少年レントンの前に、伝説のLFO(特殊人型重機)と共に一人の少女が現れる……。
【感想&雑記】 (ネタバレ無し)
まず最初に、もう少し作品と作品をとりまく状況についてお話を。
作品概要の説明にあるように、様々な試みがなされた実験的な作品であり、評価としては賛否両論まっぷたつ!wといった印象を受ける作品です。
で、何がそんなに意見を分けたかですが、おおむね「作品世界を構築している様々な要素が情報として殆ど公開されていない」点に端を発しているようです。簡単に言うと「説明不足で意味がわからないよ」という不満が根底にあるということです。
たしかに、クイズ出されて答えを教えてくれなかったらイラっときますもんねw。ただエウレカセブンに関しては私は好意的で、「これは面白いな」と思いました。
・謎かけがあるにもかかわらず答えが用意されていない
・そういったギミック自体に価値を見出せない
・あのシーンはこういった意味なんじゃないの?
・このシーンは何を意味してるの?
・そもそも意味があるの?
などなど。。。
もちろんどんな作品だって議論の対象になり得ますけど、エウレカはそういう要素が強いという意味で。
設定から、ストーリーから、メディアミックスという戦略にいたるまで全てを包含した議論が起きてるっていうのが「面白いな」と思った、つまり興味深かったわけです。
答えが用意されていないので、当然、議論をしても解決はしないし、熱くなって人の話に耳を貸さなくなったり、罵り合いみたいになると、「もう、うんざり」なんですがw、「俺はこう思う」「私はこう思う」って「いえる余地がある」のが、「いい」とか「悪い」じゃなくちょっと興味深いなー。と。
というのも、小学生の時に(うわ飛んだ)ものすごく違和感を感じたことがあって、今でもそれは疑問なんですが、国語の教科書に小説の一部が掲載されて、終わりに「作者が何を言いたかったか?」とか、「主人公○○は何故このような行動をとったのか?」なんて設問がありました。「それをみんなで考えてみよう」ってんなら話はわかるんですが、その設問に「明確な答がある」っていうのがすごく気持ち悪かったんですよ。
小説やなんかに判を押したように答えがあるなんて変な話で、いろんなものを内包したシーンを描くことで、受け手に「自由に感じて(考えて)」と訴える作品だってあるわけですから……。
例えば日常のちょっとした心の揺れ動くシーンを、どうしても映像なり文章なりで表現したい(*1)表現者がいたとして、それを見た人が、「あるある」って共感してくれても、「こういうやついるよな」って失笑してくれても、まるでそこに気付かなくても、逆にとことん掘り下げようが、表現したかったこととズレていようが、そこは意外と寛容な表現者(または固有の作品)っています(あります)よね。もちろん明確なメッセージ性をもった作品もあるんですよ。「お前ら!俺はこう思うんだ!だってそうだろう?そうだよな?お前らもそう思うだろう?」みたいなw。
「創作されたものを楽しむ」っていうのは、創り手がいる以上、受け手側だけの問題ではないっていうのは前提としてありますが、結局は受け手側に委ねられているわけです。
それを、上の話でいくと(*1)の部分に「何故?」を求めて、「製作者の意図がわからないと納得できない」みたいな風潮があります。それ自体は一概に悪いとはいえませんが、そればっかりになってしまうのはなんだか寂しい気がします。。。
ギミックとしての謎かけがあって、「実はこうで、こうで、こういうことだったんですよ」っていう解説が後から出てきて「あーそうかー!」とか「うんうんなるほど、そうだと思っていたよ」とか、それはそれですごく楽しいですけど、そうじゃない作品もあって、我々は昔からそういう作品を楽しむ術をちゃんと知っていて「エウレカセブン」は(たぶん)そんな作品なんだろうと思います。
さて、ようやく感想……。
好きです!w
主人公が憧れ、後に一員となる「反政府活動のカリスマ ゲッコーステイト」。そのメンバーの半数以上がサーファーw(劇中では「リフボーダー」)、戦闘中のBGMや小物の描写などサブカル臭のつよいギミックがまずツボでしたw。
さらに、昔の自分なら「恥ずかしい」とか「甘っちょろい」とかいって見てられなかったかもしれませんが、「BOY meets GIRL」というテーマが、物語の大きな流れの中のワンシーンではなく、物語の大きな流れの1ピースという重要な意味を持って「進化(成長)」というキーワードへつながりラストに向かうあたり、妙に納得しながら見てしまいました。
エウレカセブンの世界を全て理解するのはきっと難しいでしょうが、もし、「見てみようかな」と思ったのなら、ご自分なりに「感じて」みてください。きっと色んな発見があって楽しい作品ですよ!
*下のDVD1巻のジャケットですが、レントンの乗るバイクがアップハン、ロンスイになってます。こういうカスタムは私の趣味じゃないですが、この細かい小物使いがいちいちツボなんです。このこのー!www
独断による名作度 | :92/100点 |
ほんわか度数 | : ★☆☆☆☆ |
心あったか度数 | : ★★★★☆ |
コミカル度数 | : ★★★☆☆ |
笑っちゃう度数 | : ★★★☆☆ |
泣けちゃう度数 | : ★★★★☆ |
設定・世界観 | : ★★☆☆☆ |
テンポ・スピード感 | : ★★★☆☆ |
残虐描写度数 | : ★★★★☆ |
DATE : 2007 / 10 / 09 ( Tue )
【作品概要】
TVアニメ 2006年作品 全13話
放送局:独立U局系列(チバテレビ他)、AT-X、Gyao
監督:鈴木行
原作は現在も続刊中のライトノベル(著者:田口仙年堂 イラスト:日向悠二 出版社:エンターブレイン)。
【あらすじ】(ネタバレ無し)
御色町(ごしきちょう)という平和な町にちょっと変わった家族が住んでいました。
声が大きくて筋骨隆々だけどお酒に弱い「パパ」、いつも笑顔で無口だけど怒ると吉永家最強の「ママ」、華奢でおとなしくて5割の確立で女の子に間違えられるお兄ちゃん「和己」、好きな言葉は「先手必勝」!プロレスが特技の小柄な女の子、妹の「双葉」。。。
そんな一風変わった吉永一家の元に、福引の景品で犬の形をした石造がやって来ました。その石造は「屋根にある彫刻」を意味する言葉から「ガーゴイル」と名づけられ、吉永家の門番を務めることになります。
実は、「ガーゴイル」は高名な錬金術師達が作り上げた「門番型自動石造」という石像。高い知能を持ち、人間との会話はもちろん、「飛行能力」「遠隔感知能力」「瞬間移動」「電撃」「熱線」「動物と話が出来る」などの機能を持った最強の門番だったのです……。
このお話は、ご近所から「吉永家の凶暴な方」と呼ばれる勝気なトラブルメーカー双葉と、高機能だけど考え方が堅くて融通が利かないガーゴイルを中心に、御色町と御色町商店街を舞台に繰り広げられるドタバタ『ご町内ハートフル&ハッピーコメディ』です!
【感想&雑記】 (ネタバレ無し)
めちゃめちゃ良かったです。
「笑いあり、涙あり、のスラップスティックコメディ」っていうと「ありがちな作品」かと思われそうですが、この作品は本当に稀有な良作といっても過言ではないですよ!
まず、大人が見ても子供が見ても純粋に楽しめる作品に仕上がってます。そういう作品もいろいろあると思うんですが、この作品の場合、脚本、演出の質がものすごく高いと思います。
例えばキャラクターですが、表面上の設定はいかにもなんですが(義賊で手品師の怪盗とか、100年以上生きてる錬金術師とか)、判で押したような紋切り型のキャラ設定をしないで(そういう要素は演出として多分に入っていると思いますが)、それよりも人間的な部分が実に丁寧にデフォルメされている気がします。
さらに、エピソードやセリフでのキャラクター説明は極力避け、さりげない会話の中や日常の行動みたいなもので、そのキャラクターの「人となり」が見事に表現されていて、ストーリーを追うごとに新しいキャラクターが出てきますが、みんなどんどん親近感が強くなって感情移入しやすくなっている辺り、脚本、演出の妙を感じます。
コメディとしての笑いの質もとても高くて、子供が喜んで夢中になるような演出と、大人がつい吹き出すような小ネタがバランスよくちりばめられていて、このあたりも秀逸です。
とにかく、疲れている時でも元気をくれる。元気な時はもっと元気をくれる!そんな明るくて、暖かい雰囲気が全体を包んでいる素敵な作品です!!
独断による名作度 | :98/100点 |
ほんわか度数 | : ★★★★★ |
心あったか度数 | : ★★★★★ |
コミカル度数 | : ★★★★★ |
笑っちゃう度数 | : ★★★☆☆ |
泣けちゃう度数 | : ★★★★☆ |
テンポ・スピード感 | : ★★★☆☆ |
設定・世界観 | : ☆☆☆☆☆ |
残虐描写度数 | : ☆☆☆☆☆ |
DATE : 2007 / 10 / 08 ( Mon )
【作品概要】
TVアニメ 1998年作品
放送局:テレビ東京系列(全26話中12話+総集編)、WOWWOW(26話全編)
監督:渡辺信一郎
シリーズ構成:信本敬子
キャラクターデザイン:川元利浩
メカニックデザイン:山根公利
放送局の都合と社会的な背景により、民放放映時は全編26話中半数以下の13話のみの放送、さらに暴力表現と性的表現をカットされるなど、かなり不遇なスタートだったにもかかわらず、放送終了から2年後には劇場版が制作されるほど熱狂的なファンを獲得したハードボイルドSFアクション。
【あらすじ】(ネタバレ無し)
西暦2022年、「位相差空間ゲート」開発中の事故による地球と月の損壊によって、人類は地下、または宇宙での生活を余儀なくされる。
やがて、各惑星や衛星が独立国家となり、各惑星はI.S.S.P.(太陽系刑事警察機構)を設立。同時に太陽系全域に散らばる無数の犯罪者を効率よく取り締まるために設立されたのが「賞金首制度」、通称「カウボーイ法」。
「賞金稼ぎ」=「カウボーイ」は賞金首として手配された犯罪者を逮捕することで賞金を手にすることができるようになり、無数の犯罪者を追う無数の賞金稼ぎが太陽系を入り乱れることになる。
西暦2071年。賞金稼ぎのスパイクとジェットは賞金首を捕えるたびに、町を破壊し、船を傷つけるため、賠償金や修理代で食事も満足にとれないありさま。
そんな二人が漁船を改造した宇宙船ビバップ号を駆り、賞金首を追って今日も銀河を駆ける!w
【感想&雑記】(ネタバレ無し)
作画(アートワーク)、ストーリー、音楽と全てにおいてクオリティが高く、さらに全体がセンス良くまとまってます。こんな完成度の高い作品はそうそうないです(また言い切った!w)。
ジャンル的にはハードボイルドSFアクション。娯楽アクションとしての気持ち良さっていうのは十二分に楽しめるんですけど、全体のかもし出す雰囲気はハードボイルドな人間ドラマ。ターゲットをはっきり大人に絞ってるアニメですね。
見終わった後は、爽快感より物悲しさが残るお話です。
物語の舞台設定が非常に丁寧に練りこんであり、SF作品としても非常に奥行きの深いものになっています。
太陽系全土に人類が進出している世界で既存の国家が消滅して人種のハイブリッド化が進んでも、人種や文化の壁はよりいっそう固有の文化を色濃く残したコミュニティを構築している。経済復興が進む一方で貧富の格差は広がり犯罪が蔓延……。などなど。
「カウボーイビバップ」世界の独特の雰囲気はきちんとした設定の裏付けがあってのものなんですねー。
そうした世界にしっかりと足を付けて生きているキャラクターがまた魅力的です。キャラクター達の個性は全ストーリーの中でいきいきと描かれていますが、各キャラクターにスポットを当てた物語も挿入されていて、それがまたせつないドラマなんですよー。(T T)
さらにビバップを語る上で外せないのが音楽!
よく練りこまれた設定、設定を見事に表現したアートワーク、そして最後にビバップの世界を完成させ、彩を加えるのが、菅野よう子さんの音楽です。
全体はジャズを基調としながら、シーンによってブルース、ハードロックなど、ありとあらゆるジャンルが何事も無いように挿入されていますが、全て菅野よう子さん一人のお仕事*です。(ハードロック調とかハードロック風のBGMなんじゃなくてハードロックがながれてきますw)
*11話「闇夜のヘヴィ・ロック」(チャイコフスキー作曲「花のワルツ」)、総集編「よせあつめブルース」 (SHAKKAZOMBIE「空を取り戻した日」) を除く。(出典:Wikipedia)
独断による名作度 | :88/100点 |
ほんわか度数 | : ☆☆☆☆☆ |
心あったか度数 | : ☆☆☆☆☆ |
コミカル度数 | : ★★☆☆☆ |
笑っちゃう度数 | : ★★☆☆☆ |
泣けちゃう度数 | : ★★☆☆☆ |
設定・世界観 | : ★★★★★ |
テンポ・スピード感 | : ★★★★★ |
残虐描写度数 | : ★★★☆☆ |