DATE : 2007 / 11 / 12 ( Mon )
【作品概要】
TVアニメ 2005年作品 全13話
放送局:独立U局系列(チバテレビ他)、キッズステーション、バンダイチャンネル
放送機関:2005年10月~2006年4月
原作:赤根和樹、サテライト
監督:赤根和樹
副監督:安田賢司
シリーズ構成:赤根和樹、大野木寛
キャラクターデザイン:岸田隆宏
オブジェデザイン:竹谷隆之
コンセプトデザイン:石垣純哉、高倉武史
美術監督:佐藤豪志
音楽:七瀬光
音楽制作:ランティス
音響監督:明田川仁
音響制作:マジックカプセル
サテライト制作のSFアニメ。
作品のコンセプトについて『WEBアニメスタイル』より、赤根和樹監督インタビューの一部を抜粋します。
「人の心に残るようなものがやりたい。自分がアニメにはまりこんだのが、10代後半じゃないですか。それと同じくらいの年齢の人達に観てもらえるようなもので、なおかつ、俺達の世代が観ても楽しめるようなものにしたい。そういったところから、企画に入ったんですよ。岸田さんは「ビジュアル的に違うものをやりたい。今までの流れじゃないものをやりたい」と言っていました。」
ということで、なかなの意欲作です!
【あらすじ】(ネタバレ無し)
主な舞台は北海道の函館市。
その他、この世界の「近似値」である世界の15年後である「ラクリマ時空界」と、ラクリマを侵食しようとする「シャングリラ時空界」と呼ばれる時空、計3つの世界が舞台となります。
小学校6年生の上乃木ハルカと仲良しグループ(w)、藤原イサミ、長谷部アイ、向井ミホは明日から始まる夏休みに浮かれ気味。
ただ一人、中学受験を控えノイローゼ気味の後藤ユウを除いて……。
町で噂の幽霊騒ぎにすっかり興奮した「オカルト好き」のミホは肝試しを提案。2日語の夜に決行が決定します。イサミに無理矢理連れ出されたユウも合流し、墓地に出かけた5人は奇妙な黒マントの男を目撃することになります。
なぜか執拗にハルカを付狙う黒マント達。
黒マントの男達はハルカを「龍のトルク」と呼ぶのでした……。
ハルカたち5人の友情、家族愛、恋心を中心に、「人を想う心」、「不確定の存在(人間と宇宙(劇中では時空))の確定」、「未来の選択」というテーマ(?)が描かれるSF作品です。
【感想&雑記】(ネタバレ無し)
おおぉ!
第一話冒頭で登場する「シャングリラの遊撃艇」にまずぶっ飛びます。「こんなメカ見たこと無い!」っていう独創的な造詣。それが美麗な3Dで不気味な効果音と共に不気味に動くんです。
いや
、キモイのなんの。w
でも、ただキモイっていうだけじゃないんですよねー。
もうこの時点ですっかり虜に。w
さらに、シーンが切り替わって平和な函館市の平和な日常。
ここでまた新鮮なのがキャラクター達です。
アニメの演出やキャラクターデザインも当然流行ってありますけど、今時の絵柄や表情に若干食傷気味だったんだなー。って気付かされました。
ちょっと他に見ないデザインです。表情や動きなんかもすごくナチュラルで、なんかもーほんとに魅力的。ググっ物語りに引き込んでくれます。
制作サイドとしては意図的だったようですが、度々作画が変わったときは正直ズっこけましたけど。まぁ自分的に許容範囲外だったのは2話と7話だけだったのでまぁなんとか。。。w
その他にも魅力は満載で、函館の町並、度々重要な役割をもって登場するハルカの家などのアートワーク、スピード感溢れる迫力満点のアクションシーンは自信を持ってオススメできます。
個人的には劇中で使用される車も好きですねー。w
ハルカ達の担任、「雪恵先生」の愛車は「ランチアデルタ インテグラーレ」リアウィング付きでボディがワイドなんでEVO1以降のモデルでしょう。好きだなぁw。劇中では雪恵先生がラリー経験者では?といったセリフもでてきますが、ドラテクは相当なモノのようです。蛇足ですが、WRCの「ラリー北海道」もっと盛り上がって欲しいです。
それから、量子物理学博士の「内田チャン」の愛車が「アウトビアンキ A112」。確かでは在りませんが恐らくスポーツモデルの「アバルト」でしょう。A112アバルトもラリーで活躍した車です。いいですねぇ!w
あと、この作品の特徴の一つに「量子論」を使用していることがあげられます。物語は(無限に存在する中の)3つの「平行世界(宇宙)」が舞台になりますが、そういった設定上のバックグラウンドとして「量子論」を、ノエインの世界を構築する為のプラスアルファとしてフィクションを、その2つの要素が高度にミックスされており、その点も高く評価されているようです。
最も、私には劇中で使われる量子論の元ネタについては、導入部分でさえ難しすぎてさっぱりわかりませんけれど。(苦笑)
独断による名作度 | :89/100点 |
ほんわか度数 | : ★★☆☆☆ |
心あったか度数 | : ★★☆☆☆ |
コミカル度数 | : ★☆☆☆☆ |
笑っちゃう度数 | : ★☆☆☆☆ |
泣けちゃう度数 | : ★☆☆☆☆ |
設定・世界観 | : ★★★★★ |
テンポ・スピード感 | : ★★★★☆ |
残虐描写度数 | : ★☆☆☆☆ |
DATE : 2007 / 10 / 30 ( Tue )
【作品概要】
TVアニメ 2006年作品
放送局:WOWWOW(全23話)
監督:村瀬修功
原作:manglobe
チーフライター:佐藤大
脚本:佐藤大、浅山祐介、高木聖子、川邊優子、永川成基、マツモトジュンイチ
キャラクターデザイン:恩田尚之
デザインワークス:佐山善則、山根公利、柳瀬敬之
デザイン協力:出渕裕
音楽:池頼広
マングローブオリジナル作品第2弾となる、SFサイコサスペンスアクション。
【あらすじ】(ネタバレ無し)
舞台は、ドームシティ「ロムド」。
その巨大なドーム形状の都市国家は、「オートレイブ」と呼ばれるロボットが人間を補佐・管理し、犯罪などとは無縁の「理想の楽園」であるはずだった。
しかし、ロムドの極秘研究施設から「捕獲・研究中の怪人」が逃走する事件がおき、オートレイブが自我に目覚めて人間の指示に従わなくなる「コギトウイルス」が発生するなど、楽園には不穏な空気が漂い始める。
市民情報局職員「リル・メイヤー」は、ロムドの最高権力者=執國「ドノブ・メイヤー」の孫娘。情報局職員として順調にキャリアを重ねていたが、研究施設から逃走した「怪人」の襲撃にあう事で彼女の生活は一変する。
「怪人」の存在は上層部によってもみ消され、自身が保護観察を行っていた移民の男「ビンセント・ロウ」によるストーカー事件として処理されてしまうのだった。
この事に強い疑問と不満を抱いたリルは、祖父をはじめとするロムド国家の妨害を受けながらも「怪人」についての真実を求めて独自に調査を開始する。
鍵となるのは襲撃時に自室に残された「awakening」というメッセージと「プラクシー」という謎の言葉、そして移民の男「ビンセント・ロウ」。
「プラクシー」とは何か……?
「ビンセント・ロウ」とは一体何者なのか……?
【感想&雑記】(ネタバレ無し)
雰囲気がいいですねー!
彩度の低い映像美、ミステリアスなキャラデザインなどが独特の世界にぐいぐい引き込んでくれます。
主題歌、挿入歌は「monoral」「radiohead」。これがまたベストマッチ。とにかくSFサスペンスとしてのパッケージが見事です。
ただ、ラストの展開と「オチ」には若干、創意工夫が足りなかったかなーという印象があります。これは脚本とか構成というより、原作の限界なのかと思いますが。(~~;
完成度が高いだけに「ちょっと勿体無いなー」と、つい辛口になってしまいます。ラストエグザイルと同じ。w
独断による名作度 | :82/100点 |
ほんわか度数 | : ☆☆☆☆☆ |
心あったか度数 | : ☆☆☆☆☆ |
コミカル度数 | : ☆☆☆☆☆ |
笑っちゃう度数 | : ☆☆☆☆☆ |
泣けちゃう度数 | : ☆☆☆☆☆ |
設定・世界観 | : ★★★☆☆ |
テンポ・スピード感 | : ★★★☆☆ |
残虐描写度数 | : ★★★☆☆ |
DATE : 2007 / 10 / 26 ( Fri )
【作品概要】
TVアニメ 2004年作品
放送局:フジテレビ・関西テレビ(全26話中17話)、BSフジ(26話全編)
監督:渡辺信一郎
『カウボーイビバップ』の渡辺信一郎監督の2作目のTVアニメ作品。
ビバップ同様、放送局の都合により民放放映時は全編26話中17話のみの放送。
BGMをはじめ、細部の演出に「HIPHOPカルチャー」を取り入れた「サムライアクション」。
【あらすじ】(ネタバレ無し)
舞台は、年代がはっきりしない江戸時代のいつか。
母親と二人きりで生きてきた15歳の女の子「風(フウ)」は母親と死別したのち「ある決意」を胸にしつつ茶屋でのバイトを続けていた。
そんなある日、フウのバイトする茶屋でトラブルが勃発。
「強くなりたい」「自分より強そうな奴と斬り合いたい」ということしか考えていない獣のような男「無限(ムゲン)」。めっぽう腕は立つが、いつも「何か」を求め続けて考えこんでいるような男「仁(ジン)」。そして悪代官のバカ息子とその一味のチンピラ。
この三者が入り乱れての大乱闘に茶屋は全焼。
ムゲンとジンの二人は「お縄」になり公開処刑されることに。
しかし、「ある決意」を実行に移すと決めたフウによって二人は助けられ、フウの用心棒として「向日葵のにおいがする侍」を探す旅に同行することになります。
用心棒の2人は隙在らば斬り合おうとしたり、フウから逃げ出そうとしたり……。喧嘩が絶えない三人の珍道中はこうしてはじまるのでした。。。
【感想&雑記】(ネタバレ無し)
これが渡辺信一郎監督のカラーなのですねー。
ビバップと同じにおいがプンプンします。
えぇ。好きですわー。w
時代劇風ですが時代劇ではありません。
その点、ビバップで高く評価された綿密な世界設計とは無縁で、江戸時代を舞台としながらも時代考証なんぞハナから考えられていません。www
ですが、「和モノ」と「洋物サブカル」の融合が作品全体を通して「完成されたデザイン」として確固たる世界観を構築しています。
さりげなく裏設定はきっちり造りこんである気がしますね。
うーん、さすが……。
「サムライとHIPHOP?」と思った方!
シーンの切り替えなど、劇中の随所にHIPHOPカルチャーが演出として盛り込まれていますが、違和感無いどころか本当に魅せてくれますよ。
当然、音楽の重要度はかなりのウェイトを占めてます。
つーか、監督はHIPHOPに乗せたチャンバラを描きたかっただけなのではないだろうか?と思うほどw。
つくりは、やはり大人向け。
基本、1話完結のロードムービー(映画じゃない!)で、ハードボイルドなエピソードあり、下品な表現あり、下ネタあり(下ネタと思わせるフェイク(結局は下ネタな訳ですが)が好きw)、で血もたくさん流れます。
人情モノのエピソードも、「心温まる」というより「切ない」話……。
ただ、ビバップほどドライじゃないです。
コメディ要素が強い「演出」と「キャラクターの設定」のおかげかな?
見た後にずーんと来るような感じではないです。w
難しいことを考えずに楽しめる作品ですよー!
独断による名作度 | :88/100点 |
ほんわか度数 | : ☆☆☆☆☆ |
心あったか度数 | : ☆☆☆☆☆ |
コミカル度数 | : ★★★☆☆ |
笑っちゃう度数 | : ★★★☆☆ |
泣けちゃう度数 | : ★☆☆☆☆ |
設定・世界観 | : ★★★☆☆ |
テンポ・スピード感 | : ★★★★★ |
残虐描写度数 | : ★★★☆☆ |
DATE : 2007 / 10 / 15 ( Mon )
【作品概要】
TVアニメ 2003年作品 全26話
放送局:NHK BS2 放送期間:2003年10月~2004年4月
教育テレビでも2004年7月~2005年1月放送
監督:谷口悟朗
シリーズ構成・脚本:大河内一楼
キャラクターデザイン:千羽由利子
コンセプトデザイン・設定考証:小倉信也
メカニカルデザイン:高倉武史・中谷誠一
幸村誠氏のSFコミックを原作とするアニメ作品。
原作にのっとたエピソードもありますが、設定に変更が加えられ、オリジナルのキャラクターが多数登場するなど、原作とは別作品と言っていい内容です。しかし、宇宙服や宇宙船、諸装備が現在想定されている宇宙開発事情に沿って再現されるなど、アニメ版独自の見所もあり話題になりました。
2005年度星雲賞メディア部門を受賞。(原作とのW受賞はナウシカ以来だそうです)
【あらすじ】(ネタバレ無し)
舞台は2070年代。
宇宙開発が進み、軌道上のゴミ「スペース・デブリ」が大きな問題となっている時代のお話。
宇宙産業の大企業「テクノーラ社」の第2事業部に属するデブリ課に、新入社員として田名部(タナベ)が配属されてくるところから物語が始まります。
【感想&雑記】(ネタバレ無し)
原作が哲学的だったのに対してアニメ版は普通の青春物語になってます。原作から入ったので最初はちょっと違和感があったんですけど。。。
すごくよかったです。
後半の展開(特に25話)にはイロイロ引っかかることもありましたが秀作認定ー!
独断による名作度 | :85/100点 |
ほんわか度数 | : ★★☆☆☆ |
心あったか度数 | : ★★★☆☆ |
コミカル度数 | : ★★★☆☆ |
笑っちゃう度数 | : ★★☆☆☆ |
泣けちゃう度数 | : ★☆☆☆☆ |
設定・世界観 | : ★★★★☆ |
テンポ・スピード感 | : ★★☆☆☆ |
残虐描写度数 | : ☆☆☆☆☆ |
DATE : 2007 / 10 / 13 ( Sat )
【作品概要】
OVA 2000年~2001年作品 全6話 全6巻
制作:GAINAX
GAINAX初の原作無しオリジナル作品で、『新世紀エヴァンゲリオン』の副監督、鶴巻和哉氏の初監督作品です。
原案・監督:鶴巻和哉
脚本:榎戸洋司
キャラクターデザイン・ビジュアルコンセプト:貞本義行
作画監督:平松禎史、今石洋之、小倉陳利
美術監督:小倉宏昌
絵コンテ:鶴巻和哉、平松禎史、佐伯昭志、摩砂雪、吉成曜、今石洋之、小倉陳利
演出:佐伯昭志、大塚雅彦、安藤健
音楽:光宗信吉、the pillows
【あらすじ】(ネタバレ無し)
舞台は地方都市、疎瀬(まばせ)。
小学6年生の「ナンダバ・ナオ太」は、兄の元カノ「サメジマ・マミ美」から誘惑めいたちょっかいを受けながらも「スゴイことなんて無い。ただ当たり前のことしか起こらない」日々を送っていた。
しかし謎の女、「ハルハラ・ハル子」が現われナオ太の周囲が騒がしくなる。ハル子は、べスパでナオ太を跳ね飛ばし、リッケンバッカー(エレキベース)でナオ太を殴りつけるのだった……w。その日を境にナオ太の額には妙な突起が生えてくるようになる……。
【感想&雑記】(ネタバレ無し)
この作品にはいくつか大きな特徴があります。
1.見てみなければどんな作品かわからない
2.演出がメチャメチャ凝っている
3.the pillows のPVだ!と揶揄されている
といった作品です。
1 について:
TVCMも、DVDのパッケージも、それだけではどんな作品かまったくわからないようになっていました。これはプロモーションの手法として「期待を煽る」効果を狙ったものかと思われましたが、実際に作品を見ても、次回予告が全く次回の予告になっていないw(ハル子のムダ話)など、とにかく意図的に何の話だか明確にしていない作品です。あらすじを書いていて思ったのですが、あらすじ読んでも何の話かわかりませんよね?(汗)
2 について:
演出についてですが、これはスゴイです。本当に楽しい。私が「フリクリ」好きな理由の1つです。唐突に絵柄が切り替わったり、シーンの切り替えそのものをネタにしてしまったり。「映像で遊んでいる」感じがたまらなく好きです!これは「フリクリ」の世界だからできるんでしょうね。(というかそれがフリクリの世界を構築している!?)
3 について:
音楽は全て the pillows の楽曲が使用されています。
しかし、これがまた効果的でカッコイイ!!斬新でテンポのよい映像にのせて骨太なロックが流れる様は、たしかに「 the pillows のPV」といいたくなる人の気持ちがわかるほど絶妙にマッチしており、とても気持ちよいです。サントラは「 the pillows のベストとしても秀逸」といわれており、私は思わず購入してしまいましたw。
で、1の続きになるんですが、全編見終わってもやっぱり何だかわかりません(汗)。それでも十分に楽しめたので、そこで止めて於けばよかったんですが、よせばいいのに考察サイトをいくつか回ってしまったんです。しかし「余計なことは知らなければよかった…」というのが正直な感想ですwww。
鶴巻和哉氏はこういう謎かけのようなギミックが好きな人みたいですね。物語全編を通して伝えたいテーマも、物語の伏線となる情報も一切劇中では明かされません。細かな小ネタも多数あるんですが、気付く人だけ気付けばいいというスタンスのようです。w
そんな奥行きもありつつの作品ですが、上記の「この作品の大きな特徴」に独断で、
4.何も考えずにノリで見て、楽しくてカッコイイ作品!!
という項目を追加してこの項終了でーす。w
独断による名作度 | :88/100点 |
ほんわか度数 | : ☆☆☆☆☆ |
心あったか度数 | : ☆☆☆☆☆ |
コミカル度数 | : ★★★★★ |
笑っちゃう度数 | : ★★☆☆☆ |
泣けちゃう度数 | : ☆☆☆☆☆ |
設定・世界観 | : ☆☆☆☆☆ |
テンポ・スピード感 | : ★★★★★ |
残虐描写度数 | : ☆☆☆☆☆ |